六価クロムとは【強烈な酸化剤】

○クロムとは
 元素番号24の元素であり、元素記号はCrである。

○六価クロムとは
 六価クロムは電子を6個失ったクロムである。クロムの中で特に毒性の強い化学形態が六価クロムである。きわめて反応性が高く、ほとんど全ての金属と結合できる。土壌吸着性は低いが、水融解性は高い。

○六価クロムの特徴
 六価クロムは自身が相手から3つの電子を奪い、還元されて3価となり安定する。そのため、相手から電子を奪い酸化させる「酸化剤」として働く。この高い反応性が生物に対して有毒となる。

○六価クロムの毒性
 六価クロムが皮膚や粘膜に付着すると生体を構成するタンパク質と反応して変成させる。その結果炎症が生じる。六価クロムと接触が多い人の鼻腔の左右の鼻の穴を隔てる真ん中の壁に穴があくことがある。これは六価クロムの高い反応性による健康被害であり、鼻中隔穿孔と呼ばれる。
 その他、腸カタル、嘔吐、疲労、頭痛、感覚障害、痙攣などの症状を引き起こす。