認知バイアスとは【思考の錯覚】

○認知バイアスとは
認知バイアスとは、思考の錯覚である。
人間誰しも、自分は論理的であり、周囲の情報に基づいて正しい認識をして、正しい決断を下していると思っている。しかし、現実は違う。人間の思考回路は統計が苦手でストーリー性を好むようにできている。本人はそのつもりがなくても、人間はそのような思考回路で日々の認識・決断を行っている。
目の錯覚は有名なので知っている方がほとんどだと思う。本当は同じ長さの線なのに、違って見える。本当は同じ色なのに違って見える。そんな例を見たことがあるのではないだろうか?認知バイアスは、目の錯覚の思考バージョンと言える。認知バイアスは目の錯覚と同様、人間の意思では避けることができない。できることは、「これは認知バイアスによる錯覚だ」と気が付くことまでである。
認知を辞書で調べると「それとしてはっきりと認めること」。バイアスを辞書で調べると「考え方や意見に偏りを生じさせるもの」と記載してある。認知バイアスを直訳すると「偏って認めること」となる。人は皆、日々「偏って認めめながら」生きているのである。それは避けることができない事実である。その事実を認識し、利用すべきである。

○認知バイアスに目覚めたきっかけ
ファスト&スロー(あなたの意思はどのように決まるか?)という本がきっかけである。この本で学んだ内容を自分なりにもっと深く理解したいと考え、このシリーズを書くこととした。

○認知バイアスの概要
認知バイアスは思考の錯覚である。直感に関わる人間の癖のような物である。日々たくさんの情報の中で生きている我々は、全ての事柄について深く考える暇はない。身の回りのほとんどのことを経験や雰囲気に基づく直感に頼っている。その直感の思考回路について実験・研究した結果が認知バイアスである。

○認知バイアスの使い方
認知バイアスを利用することで対人関係を改善することができると考えている。人を説得する方法としての認知バイアス、自分の誤りに気が付くきっかけとしての認知バイアス、可能性は使い方次第で無限大である。特に、我々のような理系職場にいる人は全くの異分野となるので、ライバルが少なく利用しない手はないと考えている。