技術士第二次試験建設部門の必須科目の解説・考察を行う。
平成28年度技術士第二次試験問題【建設部門】
7.環境省が策定し、使用しているレッドリストのカテゴリー定義に関する次の記述のうち、絶滅危惧Ⅱ類として最も適切なものはどれか。
- 絶滅の危機に瀕している種で、現在の状態をもたらした圧迫要因が引続き作用する場合、野生での存続が困難なもの。
- 存続基盤が脆弱な種で、現時点での絶滅危険度は小さいが生息条件の変化によっては上位カテゴリーに移行する要素を有するもの。
- 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの。
- 絶滅の危険が増大している種で、現在の状態をもたらした圧迫要因が引続き作用する場合、近い将来、上位カテゴリーに移行することが確実と考えられるもの。
- 絶滅の危機に瀕している種で、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
○解答と解説
最も適切なものは[4]である。
レッドリストとは絶滅のおそれのある野生生物の種のリストである。国際的には国際自然保護連合(IUCN)が作成しており、国内では、環境省のほか、地方公共団体やNGOなどが作成している。環境省ではおおむね5年ごとに全体的な見直しを行っており、環境省レッドリストが2015を平成27年9月に公表されている。
カテゴリ分けは以下の通りである。絶滅危惧Ⅱ類とは「絶滅の危険が増大している種」とされている。
絶滅
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我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
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野生絶滅
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飼育・栽培下あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態でのみ存続している種
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雑滅危惧Ⅰ類
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絶滅の危機に瀕している種
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絶滅危惧ⅠA種
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ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
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絶滅危惧ⅠB種
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ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
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絶滅危惧Ⅱ類
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絶滅の危険が増大している種
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準絶滅危惧
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現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
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情報不足
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評価するだけの情報が不足している種
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絶滅のおそれのある地域個体群
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地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの
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