エポキシ樹脂【種類が豊富でオールマイティー】

○エポキシ樹脂とは
 分子内に2つ以上のエポキシ基を持つ樹脂と定義されており、合成樹脂の1種である。エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂とは、硬化すると元に戻らなくなる樹脂のことである。A液(主材)とB液(硬化剤)を組み合わせて使用する。

○適用対象
 ひび割れ幅0.2〜1.0mmの注入工法、ひび割れ幅1.0mm以上の充填工法に使用可能である。ひび割れの挙動が有る箇所の補修に対しては、可とう性のエポキシ樹脂を使用する。

 

○エポキシ樹脂の特徴
・コンクリートやモルタルとの付着性に優れる
・低粘度のものから可とう性を持つものまで種類が豊富である
・品質がJISで規定されている JISA6024
・耐薬品性·耐水性·耐久性に優れる(30年)

 

○短所
・湿潤状態にあるコンクリートには付着しにくいため、漏水を伴う補修には不向き
・低温下での硬化が遅い(氷点下以上で使用することが望ましい)
・収縮が大きいので、断面が大きい箇所での使用は不適当
・紫外線劣化が懸念される
・耐候性が劣る
 耐候性:屋外で使用した場合の変形·変色·劣化に対する強さ

 

○表面被覆工法
 耐アルカリ性があるので下地処理材として使用きる。また、塗布表面の平滑性が要求される不陸調整材としても使用される。劣化因子の進入を防ぎ、ひび割れ追随性があるため、主材にも使用される。

 

○エポキシ樹脂の種類
 エポキシ樹脂は硬質形と軟質形に分類され、それぞれ低粘度形、中粘度形、高粘度形に分類されている。低粘度形はひび割れの補修に、中粘度形はひび割れおよび浮きの補修、高粘度形は大きなひび割れおよび浮きの補修やアンカーピンの固定に用いる。
 引張強さは硬質形で15.0MPa以上、軟質形で1.0MPa以上と規定されている。

 

○エポキシ樹脂は絶縁体
 分極抵抗法等の電気を使用する調査を行う場合は、エポキシ樹脂を撤去しなければならない。