ポリマーセメント【補修材料の王様】

○ポリマーセメントとは
 「ポリマー」とは、一般的に「高分子」と同義であり、「ポリマーセメント」はとは、「ポリマー混和剤」を混和した「セメント」である。ちなみに、ポリマーの「ポリ」は「たくさん」を意味する接頭辞である。
 通常のセメントモルタルと比較すると、接着性や防水性に優れる。

○適用対象
 ひび割れ幅0.2mm以下の被覆工法、0.2〜1.0mmの注入工法、1.0mm以上の充填工法で適用可能である。しかし、可とう性がないため、ひび割れの挙動が無い箇所の補修に対してのみ使用することができる。
 ひび割れの挙動が無い補修に使用する材料の中では最も基本的な材料と言える。ひび割れの挙動が有る場合はエポキシ樹脂を使用するのが基本となる。

 

○ポリマーセメントの特徴
・接着性に優れる
・引張·曲げ強度が大きい
・変形性能が大きくひび割れを生じにくい
・中性化速度が遅い
・遮塩性や耐凍害性が優れる
・熱膨張率がコンクリートに近い
・湿潤箇所に適用できる
・鋼材に対する防錆効果がある
・エポキシ樹脂と比較して安価である

 

○短所
・ひび割れに追従できない
・酸に弱く、化学的浸食を受けやすい
・コンクリートに比べると高コスト

 

○その他
 豆板や砂すじの補修に用いる。