フリーデル氏塩【固定化された塩化物】

○フリーデル氏塩[3CaO・Al₂O₃・CaCl₂・10H₂O]とは
 フリーデル氏塩とは、コンクリート中で固定化された塩化物イオンである。アルミン酸三カルシウムと、塩化物イオンが反応して生成される。

○語源
 フランスの鉱物学者ジョルジュ・フリーデルによって発見され、息子のエドモン・フリーデルによって命名された。

 

○中性化との関係
 コンクリートが中性化を起こすと、フリーデル氏塩として固定されていた塩化物イオンが分解され中性化領域で塩化物イオン濃度が大きくなるため、塩害が促進される。この時、中性化領域の内部の塩化物イオン濃度が最も高くなる。
 [フリーデル氏塩分解の化学式]
3CaO・Al₂O₃・CaCl₂・10H₂O + 3CO₂
→3CaCO₃ + CaCl₂(Ca²⁺ + Cl⁻) + Al₂O₃・nH₂O + (10-n)H₂O

 

○硫酸カルシウムアルミネート水和物
 硫酸カルシウムアルミネート水和物は、塩化物イオンと反応してフリーデル氏塩を生成する。