凍害の調査【劣化の予測は困難】

○凍害発生の特徴
・水に接する箇所は凍害が発生しやすい。
・凍結と融解の繰り返しによりコンクリートは劣化するため、日が当たる部分のほうが温度変化が激しいため劣化しやすい。
・AEコンクリートは耐凍害性が高い。
・吸水率が高い軟石を用いたコンクリートは凍結時に骨材自信が膨張し、表面のモルタルをはじき出しポップアウトが発生する。
・水セメント比が小さいコンクリートは耐凍害性が高い。
・凍結によりコンクリート中の塩分は内部へ移動するため、鉄筋位置で塩分濃度が上がると塩害が発生する。

○凍害の劣化過程の定義
・潜伏期
 凍結融解作用を受けスケーリング、微細ひび割れ、ポップアウトが発生する期間
・進展期
 スケーリング、微細ひび割れ、ポップアウトが発生し、骨材が露出するまでの期間
・加速期
 スケーリング、微細ひび割れ、ポップアウトが進展し、骨材の露出や剥落が発生する期間
・かぶりコンクリートが剥落し、鋼材の露出や腐食が発生する期間

 

○劣化予測
 コンクリートの凍害ではわずかな材質の差や環境条件の相違が凍害の発生や進行速度を大きく左右する。また、その劣化はある段階から急速に進行する。コンクリートの凍害についてその進行の予測・構造体の余寿命の推定等は現在のところ極めて困難である。