豆板【=あばた=ジャンカ】

○豆板とは
 豆板とは固まったコンクリートの一部にセメントペーストが廻らずに粗骨材が集まり、表面がぼこぼことした凹状の空隙の多い不均質な部分のことである。現場では「あばた」「じゃんか」とも言う。

○豆板による影響
 豆板が生じた部分は水や二酸化炭素を透過しやすくなるため、中性化が進行しやすい。また、豆板部に鉄筋が存在する場合は腐食が早く始まるため、早急に補修を行う必要がある。

 

○豆板の発生原因
 豆板はコンクリートの粗骨材とセメントペーストが分離する材料分離が原因で発生する。材料分離が発生する原因は以下のとおりである。
1.バイブレーターでの締め固め不足
2.コンクリートが硬過ぎて型枠端部に充填されない
3.打ち込み時に高い位置からコンクリートを落下させる
4.打ち込み時のコンクリートの横流し

 

○豆板が発生しやすい部位
 豆板はコンクリートが打ち込みにくい場所、締め固めを行いにくい場所で発生しやすい。

 

○豆板の判定・補修
 豆板が認められた場合は発生位置を図面に記録し、面積と深さを測定する。豆板の程度によって以下の補修を行う。

 

・粗骨材の表面露出はあるが、たたいても剥落しない場合
⇒ポリマーセメントなどを塗布する。無理にはつり取る必要はない。

 

・粗骨材が露出していてたたくと剥落するが、結合力は強く連続的に剥落しない場合
⇒不良部分をはつり取り健全部分を露出させ、ポリマーセメントなどを塗布する。

 

・粗骨材が露出し空隙も見られ、結合力が弱くたたくと連続的に剥落する場合
⇒不良部分をはつり取り健全部分を露出させ、無収縮モルタルを充填する。

 

・内部に空洞が多く見られ、セメントペーストのみで結合している状態で、たたくと連続的に多く剥落する場合
⇒不良部分をはつり取り健全部分を露出させ、コンクリートで打ち替える。

 

○その他
・ポリマーセメントとは、エマルション樹脂とセメント系パウダーを調合した材料である。