コンクリートのひび割れは、鉄筋腐食先行型、ひび割れ先行型、劣化ひび割れの3種類に大別することができる。
○鉄筋腐食先行型
鉄筋腐食先行型は、鉄筋腐食が進行して生じたひび割れである。塩害や中性化が原因となり、鉄筋が腐食した結果かぶりコンクリートにひび割れが発生する。鉄筋が腐食した結果ひび割れが生じているため、ひび割れが発生した時点で鉄筋腐食が進行しているため、補修が困難である。
○ひび割れ先行型
ひび割れ先行型は、何らかの原因で生じたひび割れが鉄筋に達し、そのひび割れから劣化因子が侵入し鉄筋が腐食する。ひび割れが進行性ではない場合は、早い段階で補修を行うことで対応が可能である。ひび割れが先に発生しているため、鉄筋が腐食しても膨張圧が蓄積されにくくコンクリ−トの剥落は生じにくい。
○劣化ひび割れ
劣化ひび割れはコンクリート自体の劣化による進行性のひび割れで、コンクリートの組織が緩み強度低下が生じる。
・アルカリシリカ反応によるひび割れ
無筋の場合は網目状のひび割れ、有筋の場合は軸方向に沿ったひび割れが発生する。
・凍害によるひび割れ
温度変化や融雪水の影響を受ける部位に発生しやすい。構造物のごく表面の劣化に限られることが多い。
・疲労によるひび割れ
繰り返し荷重の影響によりひび割れが発生する。