○硫酸マグネシウム[MgSO₄]とは
硫酸マグネシウムは硫酸とマグネシウムの塩(えん)である。硫酸塩マグネシウムとも呼ばれる。海水から得られる成分の1つで、水に溶けやすく苦みがある。
硫酸マグネシウム[MgSO₄]は酸化マグネシウム[MgO]と希硫酸[H₂SO₄]から生成される。
酸化マグネシウム[MgO]+希硫酸[H₂SO₄]
=硫酸マグネシウム[MgSO₄]+水[H₂O]
※塩(えん)とは
○海水に含まれる硫酸マグネシウム
海水に含まれている有害な塩類は硫酸マグネシウム[MgSO₄]と塩化マグネシウム[MgCl₂]だが、硫酸マグネシウムのほうが有害である。
硫酸マグネシウムは水酸化マグネシウムを生成させコンクリートの体積膨張を生じさせ、エトリンガイトも生成しさらに体積膨張が生じる。
○水酸化マグネシウムの生成
硫酸マグネシウム[MgSO₄]は、コンクリートの水和物である水酸化カルシウム[Ca(OH)₂]と反応して、石こう[CaSO₄]の結晶と水酸化マグネシウム[Mg(OH)₂]を生成する。これらは、いずれも体積膨張を伴う。
水酸化カルシウム[Ca(OH)₂]+硫酸マグネシウム[MgSO₄]+水[H₂O]
=石こうの結晶[CaSO₄・2H₂O]+水酸化マグネシウム[Mg(OH)₂]
○エトリンガイトの生成
石こう[CaSO₄]の一部はセメント中のアルミン酸三カルシウム[C₃A]と反応し、エトリンガイト[C₃A・3CaSO₄・32H₂O]を生成し、体積膨張を生じる。
アルミン酸三カルシウム[C₃A]+石こう[CaSO₄]+水[H₂O]
=エトリンガイト[C₃A・3CaSO₄・32H₂O]
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