粉末X線回折と蛍光X線分析【X線を照射して分析】

○粉末X線回折とは
粉末X線回折とは、試料にX線を照射して回折させ、その角度と強度から試料の結晶構造を分析する手法である。
結晶構造によって特定の回折パターンが決まっており、試料に含まれる物質を特定する。

【回折とは】
波が障害物にぶつかった場合に、背後に回り込む現象である。
光の回折が最も分かりやすい例である。

【適用事例】
・骨材のアルカリシリカ反応性の判定
・コンクリートの受熱温度の推定
・中性化深さの判定

○蛍光X線分析
蛍光X線分析とは、物質にX線を照射した時に放出される蛍光X線を検知して元素を特定する分析手法である。

【蛍光X線とは】
元素に一定以上のX線を照射すると、その物質を構成する原子の電子が励起されて電子の空孔が生じる。この空孔に外殻の電子が遷移する際に蛍光X線を放射する。蛍光X線のエネルギーは内殻と外殻のエネルギー差に対応するため、元素によって固有である。そのため、蛍光X線を分析することで元素を特定することができる。

【励起とは】
原子や分子が外部からのエネルギーにより、定常状態から、より高いエネルギーを持つ定常状態へ移ることである。

【適用事例】
・アルカリシリカゲルの識別