反発度法による強度推定【リバウンドハンマー】

○概要
 コンクリート表面をリバウンドハンマーによって打撃し、その反発度から圧縮強度を推定する方法を反発度法という。

 反発度法はコア採取に比べると構造物を破壊することなく簡易に測定ができるため
1.詳細調査を実施する前の予備調査
2.コア採取が困難な場合
3.多くの箇所の強度推定が必要な場合
4.コンクリート材齢に伴う強度増進を確認したい場合

 等に用いられる。

 

○原理
 リバウンドハンマーにより一定のエネルギーでコンクリート表面を打撃したときに、リバウンドハンマー内のインパクトプランジャの跳ね返り高さ(反発度)とコンクリートの硬さ(ブルネル硬度)およびコンクリートの強度には相関がある。そのため、反発度からコンクリートの強度を推定することができる。

 

○強度の推定
 反発度から圧縮強度を求める換算式は、事前に反発度と圧縮強度の関係を実験的に求める方法が望ましい。事前にコアを採取し圧縮強度を測定するのが困難な場合は、各団体より提案されている換算式を用いて圧縮強度を推定する。

 

 Fc:コンクリート圧縮強度(N/mm²)
 R:反発度
として

 

•日本材料学会による推定式
 Fc=-18.0+1.27R

 

•東京都建築材料検査所
 Fc=-10.8+0.98R

 

○調査方法
•調査箇所の選定
 表面が平坦で縁部から50mm以上離れた位置を選択する。
 部材厚さが100mm以下の場所は選定しない。
 部材幅が150mm以下の箇所は選定しない。
 浮きやひび割れ•剥離がある場所は選定しない。

 

•測定器の検定
 500回に1回検定を行う。

 

•表面処理
 表面の凹凸、塗膜、付着物がある場合は取り除く。

 

•測定
 1箇所の測定では互いに25〜50mmの間隔を持った9点について測定する。偏差が平均の20%以上の値は採用しない。打撃は測定器を測定面に対して垂直に配置し、ゆっくり壁面に押しつけて測定する。

 

•補正
 必要に応じて、「コンクリート材齢」「コンクリート表面の湿潤状態」「コンクリートの応力状態」「コンクリート表面の中性化」による補正を行う。