伝搬時間測定による内部欠陥調査【弾性波が欠陥を迂回する】

○概要
 伝搬時間測定による内部欠陥調査とは、弾性波を利用したコンクリート内部欠陥の調査方法の1つである。コンクリート内部に空洞やひび割れがある場合発振子から発せられた弾性波は空洞やひび割れを迂回するため、健全な場合と比較して弾性波の到達時間が遅れる。伝搬時間を測定し弾性波の迂回を検知できれば、欠陥を発見することができる。

○ひび割れ深さの測定手順
  1. 測定準備として、受・発振子の測定精度を基準試験体を使用して確認する。
  2. 対象とするひび割れを挟み、コンクリート表面が平滑で他の欠陥がない箇所を選定する。
  3. センサとひび割れの間隔を設定し、センサ設置位置のコンクリート表面の付着物を取り除き平滑にする。
  4. センサ表面に専用の接触剤を塗布しコンクリート壁面と密着させる。
  5. 測定器を作動させ、伝搬時間を測定する。鉄筋等の影響を受ける可能性があるため、複数回測定を行い同様の結果が得られることを確認することが望ましい。