弾性波法の種類【超音波、衝撃弾性、打音法】

○概要
 弾性波法とはコンクリート表面に設置した発振子や衝撃入力装置によって内部に弾性波を発生させ、これをコンクリート表面の受振子で測定し、内部の欠陥の位置や寸法を測定する方法である。

○超音波法
 使用周波数が20kHz以上の超音波域と呼ばれる周波数帯を使用し、発振子からシリコングリスなどの接触剤を介してコンクリート中に発射された弾性波を受振子で測定する方法である。
 コンクリート中に弾性波を入射する装置として圧電素子を用いた振動子が用いられる。圧電素子とは電圧を加えると収縮・膨張し、逆に収縮・膨張すると電気が発生するという性質を持つ。
 弾性波を検出する装置は、入力と同様圧電素子を利用した振動子が用いられる。

 

○衝撃弾性波法
 ハンマなどによりコンクリート表面を打撃して弾性波を発生させ、これを受振子で測定する方法である。物理的な打撃によるために一般的に20kHz以下の超音波域よりも低い周波数成分の多い波を使用する。
 弾性波を発生させる際は一般的なハンマが用いられることもあるが、圧電素子や加速度計を内蔵したインパルスハンマを用いることもある。
 弾性波を検出する装置は、圧電素子を利用した振動子が用いられる。

 

○打音法
 打撃によりコンクリート中に弾性波を発生させ、この弾性波がコンクリート表面から空気中に放射されたものを測定する。衝撃弾性波法と比較して周囲の騒音の影響を受けやすい難点があるが、非接触で測定可能なためコンクリート表面の性状に影響を受けにくいという長所がある。
 衝撃弾性波法と同様、弾性波を発生させる際は一般的なハンマが用いられることもあるが、圧電素子や加速度計を内蔵したインパルスハンマを用いることもある。
 弾性波を検出する装置はマイクロフォンが用いられる。