水・泡系消化剤【電気火災には不向き】

○水・泡系消化剤とは

水・泡系消化剤とは、普通火災(A火災)に対して有効な消化剤である。

「水」「強化液」「泡」が含まれる。

水・泡系消化剤を使用する際は「棒状噴射」と「霧状噴射」の2種類がある。

○棒状噴射

棒状噴射とは、ノズルの先から水を棒状に噴射することである。

勢いよく消化剤を散布するため高い冷却効果を得ることができるが、消火対象物を飛散させる恐れがあるので「油火災」には不向きである。また、感電の恐れがある「電気火災」にも不向きである。

○霧状噴射

霧状噴霧とは、ノズルの先から水を放出する際に、細かい霧状にして放出する噴射方法である。

霧状にすることで電気抵抗が大きくなり感電の危険性が少なくなるため、電気火災に対応することができるなどの長所がある。

○水

水は安価でいたる所にあることから、普通火災の消化剤として最も多く利用されている。

水は比熱と蒸発熱が大きいので非常に高い冷却効果を発揮する。また、水が蒸発をすることで生じる多量の水蒸気が、空気中の酸素と可燃性ガスを薄める作用もある。

油火災の場合は、燃えている油が水に浮いて炎が拡大する危険性が高いため、水を用いた消火は危険である。

電気火災の場合は、感電の恐れがあるため水の使用は不適切である。ただし、霧状放射にすれば電気火災に対応可能である。

○強化液

強化液とは、アルカリ金属塩である炭酸カリウムの濃厚な水溶液である。

強化液は、冷却効果だけではなく、炭酸カリウムの効果により、消火後も再燃防止効果がある。

油火災については、霧状放射であれば、炭酸カリウムによる抑制作用が働くため対応可能である。

電位火災についても霧状放射であれば対応可能である。

○泡

泡は、燃焼物を覆うことによる窒息効果で消火する消化剤である。

普通火災と油火災に適用可能である。

電気火災は、泡を伝って感電する恐れがあるため、使用不可である。

泡には「化学泡」と「機械泡」の2種類がある。

「化学泡」は、泡の中に炭酸水素ナトリウムと硫酸アルミニウムの化学反応によって生じた二酸化端をを含んだ泡である。

「機械泡」は、水に安定化剤を溶かし、空気を混合してつくった空気泡である。