ベンゼンとは
ベンゼンは分子式C6H6の最も単純な芳香族炭化水素である。石油に含まれている。
ベンゼンの用途
ベンゼンはかつては接着剤や塗料の溶剤に使用されていたが、今はベンゼンを溶剤として取り扱う作業に労働者を従事させることは原則禁止されている。
ベンゼンは基礎化学原料として利用される。原油に含まれているため、石油や石炭を原料とする製品に微量に含まれている。また、タバコの主流煙・副流煙にも含まれる。
ベンゼンの規制
特定化学物質障害予防規則
特定化学物質障害予防規則とは、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するために、作業方法・作業環境の整備、健康管理の徹底等について定めた法律である。
ベンゼンは対象物質であり、第二類物質に定められている。
PRTR法(化学物質管理促進法)
PRTR法とは、有害性のある対象化学物質を誰がどのくらいの量を環境中へ放出しているのかを把握するための法律である。各事業所等が対象化学物質の排出状況を管理・報告することで、化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律である。
ベンゼンは対象化学物質に定められている。
ちなみに、PRTRの意味は以下の通りである。
Pollutant:汚染物質
Release:放出する
Transfer:移動
Register:記録
大気汚染防止法
大気汚染防止法とは、ばい煙排出者に対して排出基準に適合しないばい煙の排出を禁止し、国民の健康の保護と生活環境の保全を目的とした法律である。ばい煙とは、煙とすすのことである。
ベンゼンは排出基準が指定されている。
土壌汚染対策法
土壌汚染の状況の把握と、汚染による健康被害の防止に関する措置を定めた法律である。工場跡地などを再開発し市街地などにする場合、土地の所有者に対し土壌汚染の調査・除去を義務付けている。
法律内で土壌に含まれる有害物質の基準量を定めており、ベンゼンが有害物質に指定されている。
水質汚濁防止法
水質汚濁防止法とは、工場などから公共用水域に排出される水の排出規制や生活排水対策の促進により、公共用水域・地下水の水質の汚濁を防止することと、健康被害が生じたときの事業者の損害賠償責任について定めた法律である。
水質汚濁法では有害物質の排水基準が定められており、ベンゼンが有害物質に指定されている。
ベンゼンの健康障害
- 造血器障害
- 再生不良性貧血
- 白血病