トリクロロエチレンによる健康障害【トリ・クロロの意味】

トリクロロエチレンとは

 トリクロロエチレンとは、エチレンの水素原子3つが塩素原子に置き換わった化学物質である。有機溶剤の一種である。別名「トリクロルエチレン」である。

 「トリ」「クロロ」は化学接頭辞あり、意味は以下の通りである。

トリ:3つ

クロロ:塩素

トリクロロエチレンの使用状況

 トリクロロエチレンは1980年代までは洗浄用やクリーニング剤として使用されていたが、発癌性が明らかになってからは代替物質への以降が行われている。

 現在問題になっているには、昔使用していたトリクロロエチレンによる土壌汚染や海洋汚染である。

トリクロロエチレンの規制

特定化学物質障害予防規則

 特定化学物質障害予防規則とは、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するために、作業方法・作業環境の整備、健康管理の徹底等について定めた法律である。

 トリクロロエチレンは対象物質であり、第二類物質に定められている。

 また、特別有機溶剤にも定められている。そのため、有機溶剤中毒予防規則が準用される。

PRTR法(化学物質管理促進法)

 PRTR法とは、有害性のある対象化学物質を誰がどのくらいの量を環境中へ放出しているのかを把握するための法律である。各事業所等が対象化学物質の排出状況を管理・報告することで、化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律である。

 トリクロロエチレンは対象化学物質に定められている。

 ちなみに、PRTRの意味は以下の通りである。

Pollutant:汚染物質

Release:放出する

Transfer:移動

Register:記録

水質汚濁防止法

 水質汚濁防止法とは、工場などから公共用水域に排出される水の排出規制や生活排水対策の促進により、公共用水域・地下水の水質の汚濁を防止することと、健康被害が生じたときの事業者の損害賠償責任について定めた法律である。

 水質汚濁法では有害物質の排水基準が定められており、トリクロロエチレンは有害物質に指定されている。

土壌汚染対策法

 土壌汚染の状況の把握と、汚染による健康被害の防止に関する措置を定めた法律である。工場跡地などを再開発し市街地などにする場合、土地の所有者に対し土壌汚染の調査・除去を義務付けている。

 法律内で土壌に含まれる有害物質の基準量を定めており、トリクロロエチレンは有害物質に指定されている。

大気汚染防止法

 大気汚染防止法とは、ばい煙排出者に対して排出基準に適合しないばい煙の排出を禁止し、国民の健康の保護と生活環境の保全を目的とした法律である。ばい煙とは、煙とすすのことである。

 トリクロロエチレンは排出基準が指定されている。

トリクロロエチレンの健康障害

  • 肝臓の障害
  • 腎臓の障害