コバルトによる健康障害【リチウムイオン電池】

コバルトとは

コバルトとは、原子番号27の遷移元素である。元素記号は「Co」である。

コバルトの使用状況

主要埋蔵国

 コバルトの主要埋蔵国は、コンゴ(40%)、オーストラリア(20%)、キューバ(14%)以下、ザンビア、ロシア、ニューカレドニアである。

コバルトの用途

 日本でのコバルトの主な用途はスマホ・デジカメ等で使用されるリチウムイオン電池であり、約65%を占めている。また、特殊鋼の添加剤に使用され、超硬工具に含まれる。

コバルトの規制

特定化学物質障害予防規則

 特定化学物質障害予防規則とは、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するために、作業方法・作業環境の整備、健康管理の徹底等について定めた法律である。

 コバルト及びその無機化合物が対象物質であり、第二類物質に定められている。

PRTR法(化学物質管理促進法)

 PRTR法とは、有害性のある対象化学物質を誰がどのくらいの量を環境中へ放出しているのかを把握するための法律である。各事業所等が対象化学物質の排出状況を管理・報告することで、化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律である。

 コバルト及びその化合物が対象化学物質に定められている。

 ちなみに、PRTRの意味は以下の通りである。

Pollutant:汚染物質

Release:放出する

Transfer:移動

Register:記録

コバルトの健康障害

コバルトの侵入ルート

 コバルトを含む物質を加工する際に発生する粉じん等を吸引することで体内に侵入する。

健康障害の症状

  • 肺炎
  • 気管支喘息
  • アレルギー性皮膚炎