管理濃度と許容濃度【両者の違い】

管理濃度とは

 管理濃度とは、作業環境管理の目的に沿うように設定された数値であり、作業環境測定結果の管理区分を決定するための指標である。

 作業環境評価基準の別表で規定されている。

管理区分とは

 管理区分とは、作業環境測定の結果を評価する区分である。作業環境測定の「A測定」と「B測定」の結果により第1管理区分から第3管理区分に分けられる。

第1管理区分(良好) ← 第3管理区分(要改善) 

第1管理区分

 作業環境管理が適切な状態である。現在の作業環境管理を継続的な維持に務める必要がある。

第2管理区分

 作業環境管理に改善の余地がある状態である。設備・作業工程・作業方法の点検を行い、作業環境を改善するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。

第3管理区分

 作業環境管理が適切ではない状態である。設備・作業工程・作業方法の点検を直ちに行い、改善措置を講じる。また、応急処置として呼吸用保護具の使用や臨時の健康診断など労働者の健康保持を図るための必要な措置を講じなければならない。

 

許容濃度とは

 許容濃度とは、労働者が1日8時間、1週間40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に暴露される場合に、当該物質の平均暴露濃度がこの数値以下であればほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないとはんだんされる濃度である。

 日本産業衛生学会が規定している。