制御風速と抑制濃度【基本は制御風速】

局所排気装置の性能要件

 局所排気装置は、有害物質が作業者の呼吸位置まで拡散しないために設置する。作業環境や有害物質によって性状が異なるため、それぞれに適した能力の局所排気装置を設計・設置する必要がある。

 局所排気装置の性能要件の基本は、制御風速である。制御風速とは、ある一定の風速を確保しましょうという最低基準の風速である。この風速を確保していれば有害物質が作業者へ暴露する可能性が低いと考えられる条件である。

 もう一つの性能要件抑制濃度である。抑制濃度とは、有害物質の濃度をある一定の濃度以下とできるように局所排気装置を設計・設置しなさいという考え方である。

制御風速

 制御風速とは、発散し拡散しようとする有害物質を補足する吸い込み気流の最低風速である。

 制御風速はフードの型式ごとに測定点などの基準が定められている。囲い式フードではフード開口面における最低風速、外付け式では有害物質を吸引しようとする飛散限界における最低風速とする。

 制御風速は最低基準なので、有害物質の物理的特性、飛散状態などを考慮して適正な制御風速を決定する。

抑制濃度

 抑制濃度とは、有害物質が作業者に健康被害を及ぼさないために定められた、管理すべき有害物質の濃度の上限である。抑制濃度を超えないように局所排気装置を設置しなければならない。

 抑制濃度は「特化則(一部)」「鉛則」「石綿障害予防規則」に定められた有害物質に適用される。