ノルマルヘキサンによる健康障害【n-ヘキサン】

ノルマルヘキサンとは

　ノルマルヘキサンとは、分子構造が「ノルマル」な「ヘキサン」のことである。n-ヘキサンと記載することもある。

　「ノルマル」とは、直鎖化合物という意味である。直鎖化合物とは構造式で表した場合に分岐がないものである。ちなみに、分岐がある構造は鎖式化合物、六角形等の形になっているものは環式化合物という。

　「ヘキサン」とは、炭素６個のメタン系炭化水素である。化学式は「C₆H₁₄」である。無色透明で可燃性液体であり、灯油のような臭いがする。

　　ノルマルヘキサンは、ガソリンに多く含まれる。また、ベンジンの主成分である。

　有機溶剤中毒予防規則とは、有機溶剤を使用する際に必要な設備・管理・健康診断・保護具等について定めた法律である。有機溶剤を使用する作業者の有機溶剤中毒を予防することを目的として法律である。

　有機溶剤は毒性の強い順に第一種、第二種、第三種に分けられており、n-ヘキサンは第二種に分類されている。

　PRTR法とは、有害性のある対象化学物質を誰がどのくらいの量を環境中へ放出しているのかを把握するための法律である。各事業所等が対象化学物質の排出状況を管理・報告することで、化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律である。

　n-ヘキサンが対象化学物質に定められている。

　ちなみに、PRTRの意味は以下の通りである。

Pollutant：汚染物質

Release：放出する

Transfer：移動

　大気汚染防止法とは、ばい煙排出者に対して排出基準に適合しないばい煙の排出を禁止し、国民の健康の保護と生活環境の保全を目的とした法律である。ばい煙とは、煙とすすのことである。

　ヘキサン、n-ヘキサンは排出基準が指定されている。