技術士第二次試験建設部門の必須科目の解説・考察を行う。
平成28年度技術士第二次試験問題【建設部門】
12.我が国の建設産業に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 建設投資額は平成4年度をピークに建設業就業者数(年平均)は平成9年をピークに、建設業許可業者数(年度末)は平成11年度末をピークにいずれも減少に転じて現在に至っている。このうち、ピーク時に対する減少割合が最も大きいのは建設業就業者数である。
- 平成23年度末以降の建設業の売上高経常利益率は建設市場の回復を背景として上昇傾向にあるものの、平成26年度においても全産業の平均値を下回っている。
- 建設業就業者は平成26年時点で55歳以上が全体の3割を超える一方、29歳以下が約1割となっており、全産業の平均よりも高齢化が進んでいる。
- 建設業における技能労働者は、今後、団塊世代の大量離職等により大幅に減少すると予想される。そのため、労働者の確保に加えて、新技術・新工法の活用、人材の効率的な活用等、建設生産システムの生産性の向上を図ることが求められている。
- 我が国の建設業による海外での工事受注実績(現地法人も含む)はこの15年間の動きを見ると、中東地域等での受注増により平成19年度に1つのピークを迎えた後、世界的な景気後退により一時急減したものの、その後はアジアを中心に増加に転じ、平成26年度は過去最高の受注額となった。
○解答と解説
最も不適切なものは[1]である。
・建設投資
84.0兆円(平成4年)⇒48.4兆円(平成26年)
ピーク時比42.4%減
・建設業就業者
685万人(平成9年)⇒499万人(平成25年度平均)
ピーク時比27.2%減
・許可業者数
600,000業者(平成11年度末)⇒471,000業者(平成25年度末)
ピーク時比21.7%減