技術士第二次試験過去問考察【施工計画部門、問2−2】

技術士第二次試験建設部門の記述式問題の考察を行う。今回は「0910 施工計画、施工設備及び積算部門」の問2−2についてである。

○考察結果
 各年度で出題されたテーマは以下のとおりである。問2-2に関しては積算分野の出題はない。出題範囲は多岐に渡るため広い分野を学習する必要があるが、出題範囲は1級土木施工と重複している。
平成28年
・土留め
・コンクリートのひび割れ
平成27年
・軟弱地盤
・型枠支保工
平成26年
・コンクリートの運搬
・斜面崩壊
平成25年
・コンクリートの養生
・建設副産物
以下、過去問を記載する。
○過去問
問2ー2.次の4設問のうち2設問を選び解答せよ。
【平成28年度】
・問2ー2ー1 ⇒土留め
 地下水位の高い市街地の供用中の幹線道路(幅員30m)において、開削工法で掘削深さ20m、20m四方の立坑を築造する際の土留め工について、以下の問いに答えよ。
(1)上記の施工環境に適した土留め工法を2つ挙げ、選定理由と工法の概要を述べよ。
(2)(1)で説明した工法のうち1つについて、土留め工の要求される品質を確保するため、調査検討時に留意すべき点と施工時に留意すべき点をそれぞれ述べよ。
・問2ー2ー2 ⇒コンクリートのひび割れ
 幅10m、厚さ3m、高さ20mの鉄筋コンクリート橋脚の施工に当たり、以下の問いに答えよ。
(1)発生しやすい初期ひび割れの原因を3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
(2)(1)で挙げた3つの原因のうち2つについて、初期ひび割れを防ぐため、施工計画段階で検討するべき次項及び施工時に実施すべき対策を述べよ。
【平成27年度】
・問2ー2ー1 ⇒軟弱地盤
 社会インフラ整備が進み、重要な既設構造物と近接して構造物を施工するケースが増加している。軟弱地盤において、杭長20mの基礎杭を持つ既設高架橋に近接かつ平行して盛土高7m、路面幅12mの道路用盛土を築造するに当たり、以下の問いに答えよ。
(1)盛土施工により、既設高架橋に及ぼす影響を2つ挙げ、その内容について述べよ。
(2)それらの影響を防止するために、盛土と既設高架橋のそれぞれに対して行う対策工を挙げ、その内容と留意点を述べよ。
・問2ー2ー2 ⇒型枠・支保工
 コンクリート構造物の施工において型枠及び支保工は所定の位置及び形状寸法の構造物を得る上で必要・不可欠なものである。型枠及び支保工の設計・施工に当たり以下の問いに答えよ。
(1)高架橋の型枠及び支保工の設計に当たり、考慮すべき荷重について述べよ。
(2)市街地の民家に隣接した工事用道路を使用して、道路と平行な桁下空頭7mのラーメン高架橋の柱上部・スラブのコンクリートを打設し終えた。今後、型枠及び支保工の取り外しを施工するに当たり、留意すべき事項を3つ挙げ、それぞれの内容について述べよ。
【平成26年度】
・問2ー2ー1 ⇒コンクリートの運搬
 要求される性能、品質を備えたコンクリート構造物を所定の工期内に安全かつ経済的に建設するためには、的確で合理的な施工計画が必須である。市街地の道路下にコンクリート構造物を施工する際の施工計画の立案に当たり、以下の問いに答えよ。
(1)施工計画の検討項目の1つである「コンクリートの現場までの運搬・受入れ計画」に記載すべき内容を述べよ。
(2)コンクリートの受入れ計画において、コンクリートの練り上がり時のスランプは、打ち込み、荷卸し、練上り時の各作業段階でのスランプの変化を考慮して設定するが、各段階における設定の考え方及び留意点について述べよ。
・問2ー2ー2 ⇒斜面崩壊
 近年、集中豪雨等により各地で斜面崩壊事故が多発している。斜面崩壊を防止するためには、想定される地点において調査を行い、あらかじめその規模や被災の程度を想定し、対策工を施すことが肝要である。基岩上に表土が被覆している自然斜面において、表層崩壊に対する事前調査及び対策工について、以下の問いに答えよ。
(1)表面崩壊の発生する可能性を把握するために事前に行う主な調査項目を3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
(2)表面崩壊を防止するための対策工を選定するに当たり、主な検討項目を2つ挙げ、その内容及び留意点を述べよ。さらに、この場合に考えられる構造物による対策工(のり面緑化工を除く)を2つ挙げ、その内容及び留置点を述べよ。
【平成25年度】
・問2ー2ー1 ⇒コンクリートの養生
 要求性能を満足するコンクリート構造物を造るためには、施工の各段階において適切な方法により品質管理を実施し、所定の品質が確保されていることが重要である。コンクリート施工時の養生はこの一環として考えられ、施工環境条件を考慮し、品質を確保できるように確実に実施しなければならない。これを進めるに当たり、下記の問いに答えよ。
(1)コンクリート構造物の施工を行う際の養生については、目的別に3項目に分類しているが、そのうち2項目について内容をそれぞれ説明せよ。
(2)高炉セメントB種を使用したコンクリート構造物を施工することになった。高炉セメントコンクリートの特性について述べるとともに、その特性を踏まえ、養生を含め施工に関する留意点を説明せよ。
・問2ー2ー2 ⇒建設副産物
 建設工事(ここでは、建設業法に規定する「建設工事」をいう。)により生じる産業廃棄物(放射性廃棄物を除く。以下同じ。)を適切に取り扱うことは、環境影響の低減につながる。建設工事により生じる産業廃棄物の取り扱いに関し、建設工事を実施する以下の各段階において留意すべき事項について述べよ。
(1)工事着手前(工事目的物の計画段階や設計実施段階を含めてもよい。)
(2)工事実施中(工事完了後を含めてもよい。)