コンクリート施工の基礎

 コンクリートとはセメント、水、砂、骨材を混ぜ合わせた物である。コンクリートは最初は柔らかく時間経つと徐々に固まるため、型枠の形に合わせて自由に形成できるという点がコンクリートの長所である。短所としては現場の施工の良否によって品質が大きく左右される点である。

 工事現場で構造物を構築する場合は「鉄筋の組立」「型枠の組立」「コンクリートの打設」「養生」「脱型」という工程で行う。
 「鉄筋の組立」はコンクリートの中に埋め込む鉄筋を所定の位置に設置し、鉄筋が動かないよう相互に結束線で緊結して固定する工程である。結束線は焼きなまし鉄線とも呼ばれ、直径0.8mm以上の太さの物を使用する。コンクリートは圧縮に強く引っ張りに弱いという物性的な特徴がある。引っ張りに弱いという弱点を補完するために鉄筋を配置するため、正しく配置することが重要である。
「型枠の組立」はコンクリートを流し込む型である型枠を、構造物の形に合わせて組立てる工程である。型枠はせき板とも言う。型枠の材質は木材の他にプラスティックや鋼製の物もある。
 「コンクリートの打設」はコンクリートを型枠内に流し込む作業である。工事現場でコンクリートの打設は特別なイベントであり、最も大切な日のうちの1つである。コンクリートは最終成果物となるため、各種品質試験を行う。代表的な品質試験はスランプ試験である。スランプ試験はスランプコーンという先細りの円筒形の容器を使用する。コンクリートをスランプコーンに3層に分けて突き均して充填させ、スランプコーンを逆さまににして抜き取る。この時のコンクリートの崩れる高さをcm単位で測定する。仮にスランプコーンを抜いても中身が全く崩れなかった場合は「スランプ0」となり、とても固いという評価になる。実際にスランプ0のコンクリートは有り得ず、一般的によく使うコンクリートの設計スランプ8〜18であり、スランプ試験の許容誤差は±2.5cmである。その他設計スランプによって許容誤差も異なる。
 「養生」は打設したコンクリートを品質の良いコンクリートに仕上げる工程である。コンクリートは打設をする時は生コンクリートと呼ばれ、粘性の高い液体のような状態である。この生コンクリートは時間を経て徐々に硬化し、コンクリート構造物となる。硬化の過程でコンクリートが乾燥しないよう湿潤状態をしたり、コンクリートが硬化熱にによってひび割れないよう冷やしたりする。
「脱型」はコンクリートの養生が終わり十分な強度を発現した後、型枠を取り外す工程である。
脱型をして初めてコンクリートの出来栄えを目視で確認できる。脱型を行う時期は脱型する部材によって異なる。
このような工程でコンクリートを施工する。