コンクリートの品質(1級土木実地試験編+α)

 1級土木施工管理技士の実地試験で必要なコンクリートの品質について記載する。理解を助けるために1級土木試験レベル以上の項目についても記述する。
1.圧縮強度
 強度は材齢28日における標準養生供試体の試験値で表す。1回の試験結果は呼び強度の85%以上かつ3回の試験結果の平均は呼び強度以上であれば合格である。
  (ここから+α)

 当然だが圧縮強度は最も大切なコンクリートの強度に対する試験である。構造物の圧縮はコンクリートが負担し引張は鉄筋が負担するため圧縮強度試験を行う。試験方法は JIS A 1108 に規定されている。標準養生とは20±2°Cの水中養生である。
2.空気量
 普通コンクリート、舗装コンクリートは4.5±1.5%、軽量コンクリートは5.0±1.5%
(ここから+α)
測定はエアメーターという測定器を用いる。試験方法は JIS A 1128 に規定されている。空気量が多いメリットは生コンクリート中ではワーカビリティーが良好となり、硬化後のコンクリートでは耐凍害性が上がる点である。空気量が多いデメリットは強度低下や乾燥収縮が大きくなる点である。
3.スランプ
スランプ2.5の場合、許容値は±1
スランプ5・6.5の場合、許容値は±1.5
スランプ8・10・12・15・18の場合は許容値は±2.5
スランプ21の場合は許容値は±1.5
 (ここから+α)
 コンクリートの配合設計の基本的な考え方として、スランプは小さい。試験方法は JIS A 1101 に規定されている。試料を3層に分けて1層ごとに25回均等に突き均す。スランプコーンは上面の内径が10cm、下面の内径が20cm、高さが30cmである。
4.塩化物含有量
 塩化物イオン量として0.30kg/m3以下。承認を受けた場合は0.60kg/m3以下とすることができる。
(ここから+α)
 試験方法は JIS A 1144 に規定されている。
5.アルカリ骨材反応
 アルカリシリカ反応性試験で無害と判定された骨材を使用する。(化学法、モルタルバー法)コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m3以下とする。
  (ここから+α)
 化学法については JIS A 1145、モルタルバー法については JIS A 1146 に規定されている。化学法は骨材をアルカリ溶液に浸けて反応性の有無を判断する。
 モルタルバー法はセメント・水・水酸化ナトリウム・細骨材でモルタルを作り、脱型時から脱型後6ヶ月までの供試体の長さを定期的に測定する。測定結果から骨材がアルカリ骨材反応を起こさないかどうかを判定する。化学法は短時間で判定できるが、モルタルバー法は判定に時間がかかる。化学法で無害ではないと判断された場合でもモルタルバー法で無害であると判定されれば無害骨材として扱ってよい。