添加材(加泥材)【種類と主な効果】

○添加材注入機構
 泥土圧シールドではチャンバー内で掘削土砂と添加材を練り混ぜて排土を行う。添加材はカッターヘッドや隔壁に設けられた添加材注入口から注入を行う。注入口は補修や清掃が困難なため、土砂の逆流を防止できる構造とする必要がある。また、注入口に油圧を作用させて閉塞を除去する回路をあらかじめ設ける場合もある。
 添加材は地上または坑内に設けられるプラントで作られ、添加材注入ポンプにより注入口から注入される。注入量の制御方法としては掘進速度制御方式が一般的である。これはあらかじめ注入率を設定し、シールドの掘進速度に応じて注入量を自動的に増減させて制御する方法である。
○添加材注入の目的
  1. チャンバー内に充満した掘削土砂の塑性流動性を高める
  2. 掘削土砂と攪拌混練りして止水性を高める
  3. 掘削土砂のシールドへの付着を防止する
  4. カッタービットやカッターヘッドの摩耗の低減
  5. カッターおよびスクリューコンベヤーのトルクの軽減
○添加材に必要な性質
  1. 流動性を発揮する
  2. 掘削土砂と混合しやすい
  3. 材料分離を起こさない
  4. 環境に悪影響を及ぼさない
○添加材の種類
・鉱物系
 掘削土砂が流動性と不透水性を有した良好な泥土となるために必要な微細粒子を、粘土・ベントナイト等を主材として補給するものである。最も使用実績が多く、幅広い土質に適用できる。一般的に粉体で搬入してサイロに貯蔵し、現場内のプラントで作液を行う。
主な効果:微細粒子の補充
適用土質:砂礫層(シルト・粘土には適さない)
・水溶性高分子系
 掘削土砂中の粘性を増大させる効果があり、ポンプ圧送性を向上させる。鉱物系との併用で効果を発揮することが多い。主原料の成分によってセルロース系(CMC等)、アクリル系(PHPA等)、多糖類系(グアガム等)がある。
 主な効果:粘性増加
 適用土質:砂礫層
・高吸水性樹脂系
 自重の数百倍の水を吸収してゲル状態になるため、地下水による希釈劣化が少なく高水圧地盤での奮発防止に大きな効果をもたらす。しかし、塩分濃度が高い地下水や金属イオンを多量に含む地盤、強酸性の地盤、薬液注入区間等の強アルカリ地盤では給水能力が大きく低下する。
 主な効果:脱水
 適用土質:透水性が高い砂礫層
・界面活性剤系
 掘削土砂の流動性と止水性を高めることができ、掘削土砂の付着を防止する効果がある。
 主な効果:付着防止
 適用土質:粘着力が高いシルトや粘土層