中折れ装置【x方式、v方式】

 

○中折れ装置の目的
 曲線施工時の線形確保および姿勢制御のため、シールド本体を前胴部と後胴部に分割して、中折れジャッキにより屈曲させ推進分力を発生させることでシールド機が曲がりやすくなる。
 
○中折れ方式
・後胴押し方式
 後胴押し方式とは、シールドジャッキを後胴部に支持させる方式であり、一般的な方式である。セグメントを反力としてシールドジャッキによって得られる推力は後胴に伝わり、後胴に押される形で前胴も推進する。後胴押し方式は中折れ角度に関わらずシールドジャッキとセグメントの位置関係が一定で、それぞれの軸心の相対角度が小さくなりセグメントの負荷が少なくなる。
・前胴押し方式
前胴押し方式とは、シールドジャッキを前胴部に支持させる方式である。前胴押し方式の場合は中折れを使用してシールド機を曲げた場合に、前胴と共にシールドジャッキも角度が付きセグメントとの相対角度が大きくなるため、採用数は少ない。
○中折れ機構
・X中折れ方式
 屈曲部の回転中心をシールド中心とする方式である。中折れを動かしてシールド機を曲げた時に、内側が縮んで外側が伸びる動きになる。X方式のほうが中折れ角度を大きくできるため採用されることが多い。
・V中折れ方式
 屈曲部の回転中心をシールドカーブ内側とする方式である。中折れを動かしてシールド機を曲げた時に、内側は動かず外側のみ伸びる動きとなる。
○中折れジャッキ
 中折れジャッキの総推力は、後胴押し方式の場合はシールドジャッキ装備推力の70〜80%以上とする。これは、後胴押し方式のシールド機で中折れを操作する場合は前胴が動くことになるため、シールドジャッキと同等の負荷が中折れジャッキにかかるためである。前胴押し方式のシールド機の場合は中折れ操作時に動くのは後胴になるため、中折れジャッキにそれほど負荷はかからない。