エレクター【支持方式、能力、補助機構】

 

○エレクターとは
 エレクターとはテール部でセグメントを所定の形状に組み立てる装置であり、旋回動作のほか把持部の前後摺動および昇降動作が行える機能を備えている。一般的に油圧駆動式が採用される。
 
○支持方式
 リング式と中空軸式がある。
 リング式はガーター後部またはテール部に設けられたローラで支持する。一般的によく用いられる形式だが、位置決め精度は粗い。
 中空軸式はガーター後部に設けられた軸受けで支持するものである。高い剛性あるいは自動組立のための高精度な位置決めが必要とされる場合に用いられる。有効中空径が小さくなるため、排土装置等の設置スペースについて検討が必要になる。
○エレクターの能力
・押し込み力
 把持したセグメントを組立位置に押し込む能力である。
・吊上げ力
 セグメントの最大ピース質量の1.5〜2倍程度とする。
・回転力
 セグメントの最大ピースを把持し昇降装置が最大ストロークの状態でも容易に回転し、停止中はロックできるようにしなければならない。
・回転速度
 高速と微速の二段階制御が望ましい。高速では200〜400mm/sec、微速では10〜50mm/secほど。
・昇降速度
 トンネル半径方向に伸縮する速度。50〜200mm/sec程度。
・前後摺動距離
 セグメント組立時にセグメントをトンネル軸方向に移動できる距離。軸方向挿入型Kセグメントの場合は挿入代分摺動距離を追加する。
○セグメント組立補助機構
・形状保持装置
 1つ前に組んだセグメントの真円を保持する装置であり、上下拡張方式と上部拡張方式がある。上下拡張方式はセグメントを上下に突っ張ることにより真円を確保する。上部拡張方式はセグメントの上部を押し上げて真円を確保する。シールド外径が5m以上の場合に採用されることが多い。
・セグメント押し上げ装置
 Kセグメント組立時にセグメント自重によるBセグメントの垂れを持ち上げる装置である。セグメントの把持部とは別に押し上げ用のジャッキを使用する。