○概要
空気圧式ピン貫入法とは局部破壊試験の1つである。所定の空気圧でピンを貫入させ、貫入深さにより圧縮強度を推定する試験方法である。空気圧力の調整により所定の貫入力を容易に調整できるという特徴を有する。この試験方法は吹付コンクリートの初期強度試験として用いられている。
※局部破壊法とは、コンクリートの表層部を局所的に破壊し、破壊時の抵抗力を指標として圧縮強度を推定する試験法である。
プルオフ法(pull-off test:引張試験)
プルアウト法(pull-out test:引抜試験)
ブレークオフ法(break-off test:曲げ折り試験)
空気圧式ピン貫入法
などがある。
○調査手順
- 測定に先駆け、15〜25℃の環境温度において空気圧式ピン貫入試験器の検定を行う。検定結果により空気圧を決定する。
- 空気圧を上記の値にするため、レギュレーターを調整する。
- 試験箇所の吹付面にピンを打ち込む。ピンの打ち込みは試験面に直角に行う。
- ピンの打ち込みは10点以上を標準とし、相互の間隔は70mm以上とする。前のピンによりひび割れなどが生じた場合はその箇所を避けて次のピンを打ち込む。
- ピン貫入深さ測定器によりピン貫入深さを0.1mmまで読み取る。
- ピン貫入深さの平均値の±5mm以上となった値は異常値として除外し、所定の測定箇所数となるよう追加で試験を行う。
- 所定の数の測定値が得られたときに、これらの平均値をその箇所のピン貫入深さとする。
- 実験により求めたピン貫入深さと圧縮強度の関係より推定圧縮強度を算出する。
○適用限界
空気圧式ピン貫入試験は主に粗骨材最大寸法が10mmまたは15mmの吹付コンクリートの初期強度試験として用いられている。