遊離脂肪酸【動物性油】

○遊離脂肪酸とは
 脂肪の分解によって生じる酸である。

○油類による化学的浸食
 一般に、酸性物質を含まない鉱物油はコンクリートをほとんど侵食しない。しかし、動物性油のように多くの遊離脂肪酸を含有する場合は、酸として作用するためコンクリートを侵食する。

 

○酸による化学的浸食
 セメント水和物はアルカリ性のため、ほとんどの酸と反応して分解し、劣化が生じる。酸による化学的浸食はコンクリート表面から内部へ向かって進行する。セメント硬化体が洗われ骨材が露出し、さらに劣化が進行すると骨材が脱落する。

 

○余談
 遊離脂肪酸は人間の健康の話題で良く登場する。
 人間の脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が分解されてできる脂肪が遊離脂肪酸である。20分程度の運動をすると脂肪細胞から遊離脂肪酸が放出され、エネルギーとして消費される。