○アルカリシリカ反応とは
コンクリート中にアルカリシリカ反応性鉱物を含有する骨材が含まれる場合、コンクリート中の高いアルカリ性の水溶液と反応してコンクリートが異常に膨張する現象である。アルカリシリカ反応はASR(Alkali Silica Reaction)とも言う。
○アルカリシリカ反応のメカニズム
アルカリシリカ反応性鉱物を含有する骨材(反応性骨材)がコンクリート中の高いアルカリ性を示す水溶液と反応してアルカリシリカゲルが生成される。その際にコンクリート内に内部応力が発生し、ひび割れが発生する。ASRによる膨張には水分が必要なため、雨や水分の影響を受けやすい打放しの構造物や内部の水分が乾燥しにくい構造物で損傷が生じやすい。
○アルカリシリカ反応によるひび割れ
ASRによるひび割れの形状はコンクリート構造物の拘束状態によって異なる。拘束の小さな無筋コンクリート構造物では亀甲状のひび割れが生じる。鉄筋コンクリート構造では主筋方向にひび割れが生じる。部材両端が強く拘束されている構造物では、拘束されている面に直角にひび割れが生じる。
○骨材の反応性試験方法
・化学法
化学法はアルカリに対する骨材の潜在的な反応性を化学的に試験するものである。粉砕した骨材を80℃のアルカリ溶液で反応させ、その溶液のアルカリ濃度減少量Rcと溶解シリカ量Scから骨材の反応性を判定する。
Sc>10mmol/ℓ かつ Rc<700mmol/ℓ のとき
Rc ≦ Sc を「無害ではない」とし、それ以外は「無害」とする。
・モルタルバー法
モルタルバー法は粒度調整を行った資料を用いて、水セメント比が50%でセメントのアルカリ量を水酸化ナトリウムの添加により1.2%に調整したモルタルを用いた40×40×160mmのモルタルバーを作製する。モルタルバーを湿度40±2℃、相対湿度95%以上の条件下に6ヶ月保存したときの膨張量が0.1%以上の骨材を「無害ではない」とし、それ以外を「無害」とする。