水銀圧入法【硬い液体を圧入する】

○水銀圧入法とは
コンクリート等の多孔体に水銀を圧入させることにより、その内部の空隙の大きさと分布と量を測定する試験方法である。
表面張力が大きいほうが必要な圧力が大きくなり測定が容易になるため、水銀が利用される。
試験に用いる装置を「水銀圧入式ポロシメーター」と呼ぶ。

○水銀圧入試験概要
コンクリートを2.5~5.0mmに粉砕し、粗骨材を取り除く。
試料の微細な孔に入っている水分やガスも取り除く。
不純物を取り除いた後、水銀の圧入を開始する。
水銀の圧入は低い圧力から始める。
圧力が低い場合は大きい孔に、圧力を高くすると小さい孔に水銀が入っていく。
圧力と水銀の変化量を記録し、孔の大きさと量を把握する。

○水銀の特徴
水銀とは、常温で凝固しない唯一の金属元素であり、元素記号は「Hg」である。
水銀は表面張力が極めて高い。表面張力とは、単位面積当たりの表面自由エネルギーである。表面張力は表面をできるだけ小さくしようとする力なので、表面張力が高い水銀を物の上に垂らすと丸まろうとする。

○ポロシメーター[porosimeter]とは
ポロシメーターとは、表面張力の高い液体を加圧して試料に染みこませることで、試料の細孔分布を測定する装置のことである。