巻立て工法【柱に何かを巻いて補強】

○巻立て工法とは
巻立て工法とは、既設コンクリート部材の周囲に補強材を設置し、既設部材との一体化により必要な性能の向上を図る工法である。

○目的
巻立て工法は、変形性能を向上させ、耐震補強対策として行うことが多い。

○巻立て工法の種類
・鋼板巻立て工法
厚さ6〜12mmの鋼板を柱の外側に巻き、隙間に無収縮モルタルやエポキシ樹脂を充填させる。自重の増加が少なく、基礎への負担が限定的である。

・連続繊維シート巻立て工法
連続繊維シートを柱の周囲に巻きつけ、柱のシートの間にエポキシ樹脂を充填する工法である。連続繊維シートは軽量で扱いやすいため、施工性に優れる。

・RC巻立て工法
主鉄筋および帯鉄筋を配置し、厚さ250mm以上のコンクリートで巻き立てる。部材寸法が大きくなるため、建築限界は基礎への負担増加などを検討する必要がある。

・モルタル吹付工法
柱にモルタルを吹付補強する工法である。既設構造物に補強鉄筋を設置し、吹き付けコンクリートで保護する。RC巻立て工法と比べると、省スペースで施工が可能である。

・プレキャスト巻立て工法
プレキャストパネルで柱の周囲を巻立て、隙間はコンクリートやモルタルで充填する。
地上でパネルを組み水中に沈降させ、隙間に水中不分離性コンクリートを充填することにより、水中の橋脚にも適用できる。