連続繊維シート接着工法【繊維入りシートを貼り付ける】

○連続繊維シート接着工法とは
連続繊維シート接着工法とは、連続繊維を1方向あるいは2方向に配置してシート状にした補強材を、コンクリート部材の引張応作用面に接着して既設部材と一体化させ、性能の向上を図る工法である。

○「連続繊維シート接着工法」と「連続繊維シート巻立て工法」
「連続繊維シート接着工法」は床版下面などの「面」に連続繊維シートを「貼る」工法である。
「連続繊維シート巻立て工法」は柱などの細長い形状の部材に連続繊維シートを「巻く」工法である。

○連続繊維シート接着工法の長所
1.軽量であり成形が容易なため、作業空間が限定される場所での作業が容易である
2.耐食性に優れるため、海洋環境などのコンクリート構造物の補強にも適用できる
3.ひび割れ拘束効果、耐荷性能の向上が期待できる
4.シートを重ねる枚数を調整することで、適正補強量を任意に調整することができる
5.一定間隔で貼り付けることで、ひび割れの進展観察が可能である

○連続繊維シート接着工法の短所
1.断面剛性の向上には向かない
2.せん断補強には向かない
3.変状が著しい構造物への適用は、別途検討が必要である。

○接着剤
連続繊維シート定着工法に使用する接着剤はエポキシ樹脂を一般的に用いる。エポキシ樹脂は紫外線劣化が懸念されるため、表面塗装に用いる上塗材は耐候性に優れている物を選定しなければならない。