水酸化ナトリウム【水酸化アルカリ】

○水酸化ナトリウム[NaOH]とは
 ナトリウムの水酸化物であり、ナトリウムイオンと水酸化物イオンからなるイオン結晶である。苛性ソーダとも呼ばれる。工業的に重要な基礎化学品であり、劇物である。

 

○骨材反応性試験(モルタルバー法)
 水酸化ナトリウムを添加し、アルカリ量を1.2%にしたモルタルを用いた40×40×160mmのモルタルバーを使用する。温度40±2℃、相対湿度95%以上の条件下で6ヶ月保存し、膨張量を測定する。膨張量が0.1%以上の骨材を「無害でない」とし、それ以外を「無害」とする。

 

○骨材中の有機不純物の判定
 フミン酸やタンニン酸などの量が多いと、水酸化カルシウム[Ca(OH)₂]と化合して有機酸石灰塩を生じ、コンクリートの凝結を妨げ強度や耐久性を低下させる。試験方法は有機不純物を水酸化ナトリウム水溶液3%溶液で抽出し、標準色液の色と比べて濃い場合を不合格とする。
 試験に不合格の場合でもその砂で作成したモルタルの圧縮強度が、その砂を水酸化ナトリウム3%溶液で洗いさらに水洗いして用いたモルタルの圧縮強度の90%以上であれば使用できるとしている。

 

○コンクリートの侵食
 コンクリートは一般的にアルカリには侵食されないが、高濃度の水酸化ナトリウムには侵食される。

 

○水酸化アルカリ
 アルカリシリカ反応は、コンクリート中の水酸化アルカリと反応性骨材が反応することによってアルカリシリカゲルが生じ、これが膨張することによりひび割れが発生する。
 コンクリート中の水酸化アルカリとは、水酸化ナトリウム[NaOH]や水酸化カリウム[KOH]のことである。