亀甲状のひび割れ【主にASR】

○亀甲状とは
 亀甲状とは亀の甲羅のように連続した六角形が模様のように広がった状態でありある。

○亀甲状のひび割れの共通点
 亀甲状のひび割れは、拘束力が小さいコンクリートが全体的に膨張・収縮する際に発生する。
 ASRは骨材の膨張により亀甲状のひび割れが発生、乾燥収縮はコンクリート全体が収縮する過程で亀甲状のひび割れが発生、凍害はコンクリート中の水分が膨張・収縮する過程で亀甲状のひび割れが発生、火災はセメントペーストが収縮・骨材が膨張する過程で亀甲状のひび割れが発生する。
 床版の疲労だけはメカニズムが異なる。床版の疲労は最初は一定方向のひび割れののみだが、疲労が進行するとひび割れが増えて結果的に亀甲状になる。

 

○ASR
 アルカリシリカ反応によって無筋コンクリート構造物に生じるひび割れは亀甲状となりやすい。ちなみに、鉄筋コンクリート構造物では主筋に沿ってひび割れが発生しやすい。

 

○乾燥収縮
 乾燥収縮によりコンクリート表面に微細な亀甲状のひび割れが発生することがある。

 

○凍害
 コンクリート中の水分が凍結することに伴い膨張し、表面に微細な亀甲状のひび割れが発生することがある。

 

○初期凍害
 コンクリートの硬化の過程で凍結融解作用を受けると初期凍害が発生する。初期凍害は亀甲状のひび割れとして現れることが多い。

 

○火害
 コンクリートが加熱されるとセメントペーストは収縮し、骨材が膨張する。その際に亀甲状のひび割れが発生することがある。

 

○床版の劣化
 道路橋の鉄筋コンクリート床版の疲労劣化が進行すると、亀甲状に剥落する。エフロレッセンスを伴うひび割れに発展した場合は、ひび割れが貫通したことを意味するので補修が必要となる。

 

【参考記事】