自己反応性物質とは【自己反応=爆弾】

自己反応性物質とは(第5類危険物)

自己反応性物質とは、分子構造中に酸素を含み、衝撃等により自分自身の酸素で爆発的に燃焼する物質である。第5類危険物である。

自己反応性物質の特徴

自己反応性物質は、加熱・衝撃・摩擦などで分解されて酸素を放出し、その酸素により爆発的に燃焼する物質である。自己反応性物質は可燃性の固体または液体である。分子構造に酸素を含んでいるため、非常に燃えやすく燃焼速度が早いため、消火が困難である。

自己反応性物質の中には空気中に長期間放置すると分解が進んで自然発火するものや金属と作用して爆発性の金属塩をつくるもの、引火性のものなどがある。

代表的な自己反応性物質

  • ニトログリセリン
  • ニトロセルロース
  • トリニトロトルエン

ニトログリセリン

ニトログリセリンとは、グリセリンと水を含まない混酸を反応させてつくる無色の油状液体。きわめて爆発しやすく、ダイナマイト・無煙火薬の原料となる。また、医薬品として狭心症や心筋梗塞の舌下錠として用いる。

※舌下錠(ぜっかじょう)とは、舌の下もしくは奥歯と頬の間に入れて、口腔粘膜から急速に吸収させるように作られた錠剤である。

ニトロセルロース

ニトロセルロースとは、セルロースの硝酸エステルであり、セルロースを硫酸・硝酸・水から成る混酸で処理してつくる。混酸の組成によって種々のエステル化度のものがつくられ、性質も異なる。乾燥状態で発火しやすい特性があり、セルロイド・ラッカー・無煙火薬などの製造原料に用いられる。

トリニトロトルエン

トリニトロトルエンとは、トルエンに硝酸と硫酸との混合物を作用させて得られる化合物。淡黄色針状結晶で、金属に作用しないので爆弾の炸薬として用いられる。加熱・衝撃・摩擦などにより爆発する。TNTと略称される。

自己反応性物質の火災対策

自己反応性物質を保管する際は衝撃や摩擦を避けることが大切である。消火の際は、大量の水で消火を行うのが効果的である。第5類危険物は分子構造中に酸素を含み自らが酸素供給源となるため、周囲からの酸素供給を絶つ窒息消火は効果が無い。

燃えている量が少ない初期段階は消火可能だが、多量の燃えている場合は消火が極めて困難となる。