一酸化炭素による健康障害【ヘモグロビンと親和性が高い】

一酸化炭素とは

 一酸化炭素とは、酸素と炭素の化合物である。化学式はCO。木炭や石油などの不完全燃焼で発生する気体であり、有毒である。

一酸化炭素の発生要因

 一酸化炭素は内燃機関の排気ガスに含まれる。湯沸かし器や暖房機器の不完全燃焼により発生し、換気が不十分な室内に溜まり中毒になることがある。地下トンネル等の中で発電機を使用し、一酸化炭素中毒になった事例がある。

一酸化炭素の規制

特定化学物質障害予防規則

 特定化学物質障害予防規則とは、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するために、作業方法・作業環境の整備、健康管理の徹底等について定めた法律である。

 一酸化炭素は対象物質であり、第三類物質に定められている。

大気汚染防止法

 大気汚染防止法とは、ばい煙排出者に対して排出基準に適合しないばい煙の排出を禁止し、国民の健康の保護と生活環境の保全を目的とした法律である。ばい煙とは、煙とすすのことである。

 一酸化炭素は特定物質に指定されている。

一酸化炭素の健康障害

 一酸化炭素による健康障害は、一酸化炭素中毒である。一酸化炭素中毒は、一酸化炭素を多量に吸入することによる発生する中毒症状である。

 一酸化炭素は赤血球中のヘモグロビンとの親和性が高く、酸素の250倍である。そのため、一酸化炭素が体内に入るとヘモグロビンと一酸化炭素が結合してしまい、体内組織が酸欠状態となる。その結果、息切れ、頭痛、判断力低下、意識障害などを生じる。