ガス・蒸気・ミスト・粉じん・ヒューム【それぞれの違い】

ガスとは

 ガスとは、常温・常圧で気体のものである。

 「常温・常圧で気体」という点がポイントであり、液体や個体から発生する気体は「蒸気」である。

 ガスは英語で「gas(ガス)」である。

蒸気とは

 蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているもの。

 「液体・固体の物質から揮発」という点がポイントである。液体等から発生する気体が「蒸気」である。

 蒸気は英語で「steam(スチーム)」である。蒸気で清掃を行う「スチームクリーナー」は、液体である「水」が気体となって「蒸気(スチーム)」になり清掃を行う機械である。

ミストとは

 液体の微細な粒子が空気中に浮遊しているもの。粒径は5〜100μm程度。

 ミストは「液体粒子が浮遊している」がポイントである。水を例に考えると、水のミストはあくまで細かい水であり、蒸気ではない。一般的に蒸気は熱いがミストは熱くない。

 ミストは英語で「mist(ミスト)」である。

粉じんとは

 固体に研磨・切削、粉砕等の機械的な作用を加えて発生した個体微粒子が空気中に浮遊しているもの。粒径は1〜150μm程度。

 粉じんは「機械的な作用を加えた固体微粒子」であり、切りくずのようなイメージである。

 粉じんは英語で「dust(ダスト)」である。

ヒュームとは

 気体が空気中で凝固・化学変化を起こし、個体の微粒子となって空気中に浮遊しているもの。粒径は0.1〜1μm程度。「ミスト」や「粉じん」に比べて粒径が小さい。

 溶接のヒュームが代表的である。溶接ヒュームを吸い込みと、肺にヒュームが溜まりじん肺になる。

 ヒュームは英語で「fume(ヒューム)」である。