衛生管理者が関与すべき仕事内容【会社の「衛生」を管理する】

 衛生管理者が衛生管理を行う上で、具体的に行うべき仕事内容について記載する。

衛生管理者による巡視および記録

 衛生管理者は、労働安全衛生規則により「毎週1回作業場等を巡視する」と定められている。そのため、衛生管理者は週に1回作業場の巡視を行い、その記録を作成する。

労働安全衛生規則 第十一条
衛生管理者の定期巡視及び権限の付与
 衛生管理者は、少なくとも毎週一回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、衛生管理者に対し、衛生に関する措置をなし得る権限を与えなければならない。 

産業医の巡視結果の確認

 衛生管理者は産業医と連携して事業所の衛生管理者を進めていく立場である。産業医は、労働安全衛生規則により「毎月1回作業場等を巡視する」と定められている。衛生管理者は、その巡視結果を確認して内容を理解し、必要に応じて措置を行う。

労働安全衛生規則 第十五条

産業医の定期巡視

 産業医は、少なくとも毎月一回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

安全衛生委員会への関与

 事業者は、事業場の安全衛生について議論・周知を行う場として、安全衛生委員会を毎月行う。衛生管理者は安全衛生委員会に出席することが求められており、委員会の場で事業所の衛生について説明等を行わなければならない。

安全衛生法 第十八条

衛生委員会

 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を 述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。

2 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。

……

 二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者

……

局所排気装置等の点検結果の確認

 衛生管理者は、作業環境管理の1つである局所排気装置等の点検記録について把握しておく必要がある。局所排気装置の点検には「日常点検」「月例点検」「定期自主点検」がある。衛生管理者は、それぞれの点検を誰がいつどのうように行い、点検結果の内容を管理するべきである。

安全衛生教育の実施状況の確認

 安全衛生教育には「雇入れ時教育」「作業変更時教育」「職長教育」などがある。衛生管理者は、これらの教育の内容や受講記録について管理すべきである。

安全衛生法 第五十九条

安全衛生教育

 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところに  より、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。 

安全衛生法 第六十条(抜粋)

安全衛生教育

 事業者は、新たに職務につくこととなった職長に対し、次の事項について、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

一 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。

二 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。

作業環境測定結果の確認

 衛生管理者は、作業環境管理の1つである作業環境測定の結果について把握しるべきである。

安全衛生法 第六十五条(抜粋)

作業環境測定

 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、必要な作業環境測定を行い、その結果を記録しておかなければならない。

健康診断結果の確認

 衛生管理者は、衛生管理として健康診断の結果について中身を把握し、適切な管理を行うべきである。

安全衛生法 第六十六条(抜粋)

健康診断

 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない。

安全衛生法 第六十六条の三(抜粋)
健康診断の記録

 事業者は、健康診断の結果を記録しておかなければならない。

安全衛生法 第六十六条の五(抜粋)

健康診断の記録

 事業者は、医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備、当該医師又は  歯科医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。