裏込め注入【同時と即時の違い】

○裏込め注入とは

裏込め注入工は地山の緩みと沈下を防ぐとともに、セグメントからの漏水の防止、セグメントの早期安定やトンネルの蛇行防止に役立つため、すみやかに行わなければならない。

 ○注入材
 注入材に求められる性質は以下の通りである。
  1. 材料分離を起こさない
  2. 流動性がよく、充填性に優れる
  3. 注入後の体積変化が少ない
  4. 早期に地山の強度以上になる
  5. 水密性に富んでいる
  6. 環境に悪影響を及ぼさない
 一般的にはゲルタイムや強度が調整でき、同時注入も可能なニ液型の注入材で施工する。A液がセメント系、B液が水ガラス系の水溶液でセグメントの注入孔付近で2液をショットさせて地山へ注入する。

 

○注入時期
 裏込め注入工は同時注入または即時注入で行われる。
 同時注入とはシールドの掘進に合わせてシールドスキンプレートの外側に設けられた注入管や、セグメントの注入孔からから裏込め注入を行う方法である。
 即時注入とは掘進後すみやかにセグメントの注入孔から裏込め注入を行う方法である。

 

○裏込め注入圧
 裏込め注入圧は、切羽圧に200kN/m²程度を加えた圧力とすることが多いが、土被りが浅い場合は注入圧力を上げすぎると地上へ吹き出す恐れがあるため十分注意が必要である。

 

○裏込め注入量
 裏込め注入量は注入材の地山への浸透、加圧による地山への圧入、脱水圧密、余掘、取り込み土量等の影響があるため、計算から算出されるテールボイドの130〜170%程度になることが多い。砂礫層では地山へ浸透しやすいため注入量が増える傾向がある。

 

○裏込め管理
 管理手法としては圧力管理と量管理があるが、どちらか一方だけでは不十分であり、両方法で総合的に管理する必要がある。ある程度試行をした後、施工条件に合わせた管理手法を確立するべきである。