○カッタービットの種類
・ティースビット
地山の切削と取り込みを行うビットであり、最もオーソドックスなビットの総称である。ティースビット=tssth(歯)bit(刃)
・ローラーカッター
砂礫、岩盤の破砕およびティースビットの保護を行うビットであり、ピザカッターのような構造である。
・先行ビット
地山の施工掘削、発進や到達部の仮壁や地盤改良の切削およびティースビットの保護を行うビットである。ティースビットよりも先に地山に当たるように、高さを高くする。
・フィッシュテール
カッターヘッド中心部の地山の切削および、切削後の土砂のカッタ開口部への取り込みを行う。文字通り魚の尻尾のような形をしている。
○カッタービットの形状
固結粘性土層に対してはすくい角・逃げ角を大きくし、尖った形状にする。これは粘性土を切り込んで切削するようなイメージである。一方、礫層に対してはすくい角・逃げ角をを小さくし、ビットの欠損を防ぐ構造とする。また、チップを母材の中に埋め込む差し刃タイプにすることもある。一般的にはチップは母材表面に設置する貼付けタイプが多い。
○カッタビットの材質
カッタービットのチップは旧JIS規格(JIS M 3916)により規定されている鉱山工具用超硬焼結合金が一般に使用されている。ほとんどのチップは抗折力が比較的高く耐衝撃性に優れるE5種と呼ばれる材料が用いられるが、礫等がない砂質土層等の長距離掘進では硬度が比較的高く耐摩耗性に優れたE3種が用いられることがある。
○カッタビットの摩耗量
摩耗量の予測算定式の例を以下に示す。
δ=K・λ
=K・π・D・N・L/V
ここで
δ:最外周部の摩耗量(mm)
K:摩耗係数(mm/km)
λ:摺動距離(km)
D:シールド外径(m)
N:カッター回転速度(rpm)
L:掘進距離(km)
V:掘進速度(m/min)
摩耗係数は土質やビットの諸条件によって異なるため、類似実績を考慮して算定する。