シールドジャッキ【総推力、スプレッダー、ストローク、速度】

○シールドジャッキ(SJ)とは
 シールドジャッキとはシールド機を推進させるためのジャッキである。シールド機を推進させるためには、掘削断面の単位面積あたり1000〜1500kNが必要である。
直径3mのシールド機を例にあげて計算すると
掘削断面積をAとすると
 A=(3/2)² × π
   =7.065m²
必要推力をF、単位面積あたりの必要推力を1500kNとすると
 F=A×1500
     =10597kN
となる。
 
 シールドジャッキ1本当たりの推力は中小口径シールドで500〜1500kN、大口径シールドで2000〜5000kNほどである。よって上記の計算例の場合は1200kNのシールドジャッキを10本もしくは1500kNのシールドジャッキを8本ほど装備すれば十分ということになる。
○スプレッダーとは
 スプレッダーとはシールドジャッキの推力をセグメントに均等に伝えるためにシールドジャッキのセグメント側の接触面に取り付けるものである。スプレッダーの役割はセグメントとシールドジャッキの当たり面の保護と、セグメントとシールドジャッキの偏心量の調整である。
 スプレッダーのセグメントとの当たり面は硬性のゴムのような弾力がある素材とし、セグメントに傷が付かないようにする。
 シールドジャッキはシールド機の構造上、セグメントの中心線に比べて内側に入ってしまう。ジャッキとセグメントの中心線がズレるとセグメントに偏荷重が作用する。セグメントに偏荷重が作用するとセグメントの割れ・欠けの原因となるため、スプレッターにより偏心量を極力小さくするようにする。
○シールドジャッキのストローク
 シールドジャッキのストロークは、セグメントの幅とkセグメントの組立方式によって決定する。
 半径方向挿入型Kセグメントの場合、シールドジャッキの必要ストローク長はセグメントの幅に100〜200mmを加えた長さである。
 軸方向挿入型Kセグメントの場合は、セグメントの挿入角度や継手角度等を考慮してセグメント幅の1/3〜1/2の挿入余裕を考慮したストロークが必要である。
○シールドジャッキの作動速度
 装備能力としては全数のジャッキを使用した場合40〜60mm/min程度が一般的である。実際の掘進速度は直線部で20〜45mm/min、曲線部で15〜35mm/min、高速施工の場合は60〜100mm/min程度である。
 また、発進直後や到達直前では掘進速度を下げて数mm/min程度で掘進を行う。