シールド工法の用語の定義【トンネル標準示方書より】

 

○シールド工法
 泥土あるいは泥水で切羽の土圧と水圧に対抗して切羽の安定を図りながら、シールドを掘進させ、覆工を組立て地山を保持し、トンネルを構築する工法である。
○シールド(シールド機)
 シールド工法によりトンネルを構築する際に使用する機械で、カッターヘッド、フード部、ガーター部、テール部からなっている。シールド機とも呼ばれている。シールドは、切羽安定機構により密閉型および開放型に大別される。開放型シールドは隔壁を設けずに人力または掘削機械を使用して地山を掘削するものである。
 ※開放型=羽口
○カッターヘッド
 シールド前面にあるカッタービット等の切削機構を備えた部分。
○フード部
 シールド本体の先端部にあって、隔壁とともにカッターチャンバーを形成する部分。
○ガーター部
 シールド本体の中間部にあってシールド内部の装置群を収容し、シールド本体の全体の構造を保持する部分。
○テール部
 シールド本体の後部にあって、セグメントを組み立てる部分をいい、エレクターやテールシール等を装備している。
○エレクター
 テール部でセグメントを所定の形状に組み立てる装置。
○テールシール
 テールスキンプレート後端内部に装着し、セグメント外面との間からの裏込め注入材や土砂を伴う地下水の流入防止を目的とした装置。
○隔壁
 切羽の安定を図るための泥土あるいは泥水の圧力を保持する目的でフード部とガーター部との間に設置する壁。
○セグメント
 シールドトンネルの一次覆工に用いる工場製作の部材をいう。一般に鉄筋コンクリート製、鋼製およびこれらを合成した製品等に分類される。
※鉄筋コンクリート製セグメント=RCセグメント
※鋼製セグメント=STセグメント(スチールセグメント)
○一次覆工
 セグメントをボルト継ぎ手等で連結し形成するのが一般的である。一次覆工はトンネルに作用する土水圧、自重、上載荷重の影響、地盤反力などに耐えうる主体構造物であるとともに、ジャッキ推力、裏込め注入圧などの施工時荷重にも耐えうる力学的な機能が要求される。
○二次覆工
 一次覆工の内側に構築される構造体で、現場打ちのコンクリートが用いられることが多い。二次覆工は防食、内面平滑性の確保等を目的として施工する。
○裏込め注入
 シールドトンネルのセグメントと地山の間の空隙(テールボイド)に充填剤を注入することをいう。
参考図(トンネル標準示方書より)

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