○カッタヘッドの構造(シールドマシンの顔)
構造はスポーク形、面板形の2種類に大別することができる。地山の条件によって決める。
スポーク式のカッタヘッドを正面から見ると、中心のフィッシュテールから放射状に6本ほどのスポーク(棒)が伸びている構造になっている。スポーク形は粘土地盤など掘削土を積極的に取り込みたい時に開口率を大きくするために採用する。
面板形のカッタヘッドを正面から見ると、一面が鉄板になっており所々に穴が開いている様な構造である。礫地盤などで特定の大きさ以上の礫を機内に取り込まないよう、開口の大きさを調整する際は面板形を採用する。
○カッタヘッドの形状
カッタを横から見た時の形状の種類はフラット・セミドーム・ドームの3種類がある。これらも地山条件によって決まる。
フラットは掘削する土質が粘性土や砂質土のように破砕を必要とせずカッターヘッドにローラーカッターを装備しない、もしくは少数だけ設置する場合に選定する。
セミドーム・ドーム型は砂礫や岩盤の掘削のようにローラーカッターを多数装備する場合に使用する。カッタ外周部にローラーカッターを設置する場合やローラーカッターを前後に段差をつける場合はドーム型にする必要がある。
○カッターヘッドの支持方式
・センターシャフト支持方式
センターシャフト支持方式は、カッターヘッドの中心部がシャフトにより支持されている方式である。カッタヘッドの回転はシャフトを介して行われるため、構造が簡単である。中・小口径シールドで採用されることが多い。粘性土の付着の可能性が少ないメリットがあるが、構造的に機内空間が狭いため巨石の処理等に難点がある。
・中間支持方式
中間支持方式はカッターヘッドの外周部と中心部の中間部を複数の支持脚により支持する方式である。カッターヘッドの回転は支持脚を介して行われる。カッターヘッドの支持位置が構造的に有利であり、おもに大中口径で使用される。カッター中心部の粘性土の付着防止等について検討する必要がある。
・外周支持方式
外周支持方式は、カッターヘッドの外周部がリング状のドラムまたは複数本の支持脚によって支持する方式である。本方式は小口径で採用されることが多い。機内空間が広く取れるため、小口径における巨石等の処理が容易になる。カッタヘッドの外周部に土砂の付着が発生しやすいため、付着防止を検討する必要がある。