電気化学的補修工法【各工法の比較】

○電気化学的補修工法とは
電気化学的補修工法とは、コンクリート中の鉄筋に電気を流しコンクリートの補修を行う工法の総称である。
電気防食工法
脱塩工法
再アルカリ化工法
電着工法
がある。

○工法概要
【電気防食工法】
鋼材の腐食を防止させることが目的。
電気を流している間のみ鋼材の腐食が停止する。
【脱塩工法】
コンクリートの塩分を除去することが目的。
コンクリート中の塩分を電気と共に電解液へ移動させる。
【再アルカリ化工法】
中性化したコンクリートをアルカリ化させることが目的。
電解液に含んだアルカリ分を電気と共にコンクリートへ浸透させる。
【電着工法】
海中コンクリートの透水係数低下が目的。
電気を流して海水中の成分をコンクリートへ電着させ、ひび割れを閉塞して構造物を緻密化する。

○通電期間
電気防食工法:防食期間中ずっと
脱塩工法:約8週間
再アルカリ化工法:約1〜2週間
電着工法:約6ヶ月
【まとめ】
電気防食工法はずっと通電。
その他は
アルカリ < 脱塩 < 電着
電着は物理的に物が付着するので時間がかかる。
再アルカリ化工法はpHなので、早い。

○電流密度
電気防食工法:0.001〜0.03[A/m²] 脱塩工法:1[A/m²] 再アルカリ化工法:1[A/m²] 電着工法:0.5〜1[A/m²] 【まとめ】
電気防食工法だけ密度が小さい。

○通電電圧
電気防食工法:1〜5[V] 脱塩工法:5〜50[V] 再アルカリ化工法:5〜50[V] 電着工法:10〜30[V] 【まとめ】
電気防食工法だけ電圧が小さい。

○電解液
電気防食工法:なし
脱塩工法:水酸化カルシウム Ca(OH)₂ など
再アルカリ化工法:炭酸カリウム Na₂CO₃ など
電着工法:海水
【まとめ】
電気防食工法は電解液不要。