亜硝酸リチウム表面含浸工法【不動態皮膜を再生】

○亜硝酸リチウム表面含浸工法とは
亜硝酸リチウム表面含浸工法とは、亜硝酸リチウムを構造物表面に塗布して含浸させ、鋼材の不動態皮膜を再生し防錆効果を付加する工法である。

○メカニズム
亜硝酸リチウムは鉄イオンと反応してアノード部からの鉄の溶出を抑制し、不動態皮膜として鋼材の表面に定着する。

○亜硝酸イオン含浸速度
亜硝酸イオンの含浸速度は 30mm/5ヶ月 程度である。

○適用工法
表面含浸工法
ひび割れ注入工法
表面被覆工法
断面修復工法

○けい酸塩系、シラン系との使い分け
けい酸塩系の含浸材は、コンクリートを緻密にして劣化因子の進入を抑制する。
また、シラン系の含浸材は、コンクリート表面にはっ水性を付加して劣化因子の進入を抑制する。
一方、亜硝酸リチウムはコンクリート表面から含浸して鋼材に到達して、鋼材の不動態皮膜を再生して耐久性の向上を図る。そのため、亜硝酸リチウムを使用する際はけい酸塩系やシラン系より先に塗布して、亜硝酸リチウムがコンクリート内へ含浸するよう配慮しなければならない。