火害の等級【Ⅰ〜Ⅴ級まで】

○火害等級Ⅰ
構造耐力上火災の影響を全く受けていない状態。
仕上げ材料などが全面に残っており、補修は不要である。

○火害等級Ⅱ
構造耐力上の影響はないが、表面劣化などの被害はある状態。
コンクリート表面にすすが付着しており、表面に0.2mm以下のひび割れが発生している。
この状態のコンクリート表面の受熱温度は300℃以下であり、洗浄や張替などの美感性の回復を行う。

○火害等級Ⅲ
構造耐力上、影響が少ない状態。
コンクリートがピンク色に変色し、表面に0.3mm以上のひび割れが発生する。
この状態のコンクリート表面の受熱温度は300℃以上である。
軽微な補修で再使用が可能な状態であり、強度劣化が生じた部分は打ち直しを行う。
ひび割れを補修し、仕上げを施工して美観性の回復も必要である。

○火害等級Ⅳ
構造耐力上、影響が大きい状態である。
補修・補強によって再使用が可能となる。
コンクリートと主筋の付着に支障があり、一部爆裂が発生する。
表面に数mmのひび割れがあり、鉄筋の一部が露出する。
コンクリート表面が灰白色に変色し、コンクリートの受熱温度は600℃以上である。
露出した鉄筋の防錆処理を行い、かぶりコンクリートの打ち直しと補強が必要。

○火害等級Ⅴ
構造耐力上、甚大な被害がある状態である。
広範囲で爆裂が発生し、大きな鉄筋の露出が発生する。
スラブの一部が抜け落ちる、主筋が座屈するなどの損傷も生じる。
コンクリート表面が淡黄色に変色し、コンクリートの受熱温度は950℃以上である。
劣化部分の除去および新設を行う。

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