第1石油類とは【石油類で1番危険】

第1石油類とは

第1石油類とは「引火点が21℃未満の引火性液体」である。非水溶性と水溶性があり、それぞれ指定数量が異なる。非水溶性の指定数量は200リットル、水溶性の指定数量は400リットルである。非水溶性のほうが水溶性より危険なため、指定数量が半分になっている。

第1石油類の主な危険物は以下のとおりである。

  • ガソリン(非水溶性)(第3種有機溶剤)
  • 酢酸エチル(非水溶性)(第2種有機溶剤)
  • アセトン(水溶性)(第2種有機溶剤)
  • ビリジン(水溶性)
  • ベンゼン(非水溶性)(第2類特定化学物質)
  • トルエン(非水溶性)(第2種有機溶剤)

第1石油類は、すべて無色透明の液体である。

ガソリン

ガソリンとは、内燃機関の燃料などに用いられる石油炭素水素の混合物である。
ガソリンはオレンジ色だが、これは灯油や軽油と区別するために着色しているためである。

引火点が(-40℃以下)と低く、沸点も(40℃~)であり、揮発性が高く、極めて引火しやすい。空気よりかなり重く、過度に吸入すると頭痛やめまいなどを起こす。

非水溶性である。静電気が発生しやすいため、静電気防止対策が必要である。ゴムや油脂を溶かす特性があり、第3種有機溶剤に指定されている。保管の際は、密栓して冷暗所に保管する。

酢酸エチル

酢酸エチルとは、酢酸とエチルアルコールから生成したエステルである。パイナップルに似た芳香がある、無職の液体である。天然果実油、ぶどう酒、日本酒、コニャックなどの中に存在している。香料や溶剤として広く用いられ、第2種有機溶剤として指定されている。

引火しやすい特性である。蒸気は空気より重く、液体は水より軽い。水にわずかに溶けるが、「非水溶性」に区分されている。静電気が発生しやすい。

保管の際は密栓して冷暗所に保管する。

アセトン

アセトンとは、脂肪族飽和ケトンの一つであり、特異なにおいのある無色の揮発性液体である。デンプンの発酵によって得られる他、プロピレンを原料として合成される。引火しやすく爆発性が高い。樹脂、脂肪、塗料などの溶剤として多量に用いられる。アセトンは、第2種有機溶剤に指定されている。

アセトンは沸点が(56℃)と低く、揮発性が高いため引火しやすく、静電気の火花で着火する。蒸気は空気より重く、液体は水より軽い。水によく溶ける特性がある。

保管の際は密栓して冷暗所に保管する。

ピリジン

ピリジンとは、ベンゼンの1個の炭素と水素をチッソに置換した構造の化合物であり、特有の刺激臭のある無色の揮発性液体である。溶剤・合成原料・分析試薬として利用される。

ピリジンは揮発性があり、引火しやすい特性を持っている。蒸気は空気よりかなり重く、毒性・悪臭がある。ピリジンは水によく溶ける。

保管の際は密栓して冷暗所に保管する。

ベンゼン

ベンゼンとは、石炭乾留あるいは石油の改質で得られる芳香のある無色の揮発性液体である。芳香族化合物の基本となる芳香族炭化水素であり、亀の甲型の平面正六角形構造をもつ。医薬・塗料・香料・爆薬などの合成原料となる。

ベンゼンは揮発性があり、引火しやすい。強い毒性があり、第2類特定化学物質に指定されている。蒸気は空気よりかなり重く、吸入すると中毒症状を引き起こす。液体は水より軽い。

ベンゼンは引火しやすく、冬季に固化したものに引火することがある。

保管の際は密栓して冷暗所に保管する。

トルエン

トルエンとは、石油の分解・改質や石炭のタール軽油などの分留で得られる特異臭のある無色の液体である。合成繊維・塗料・爆薬・医薬品・香料などの合成原料として重要である。また、溶剤や分析試薬などにも用いられる。

トルエンは揮発性があり、引火しやすい。弱い毒性があり、第2種有機溶剤に指定されている。蒸気は空気よりかなり重く、特有の刺激臭がある。

保管の際は密栓して冷暗所に保管する。